死後事務委任契約は、委任者が受任者に対して、自己の死後の事務を生前に依頼する契約
です。
身近に頼れる親族がいないおひとり様や親族と疎遠である人は、自分の死後のことに不安
を感じることがあります。
このような不安を解消する方法として死後事務委任契約の利用が考えられます。
死後事務委任契約は、委任者の死後に執行されるため、その意思を明らかにするために、
必ず書面によるべきでしょう。
当事務所では、原則として公正証書による方法をとっています。公正証書には、委任者
本人の意思が反映されていることが証明されますし、公証人の関与により適法な契約で
あるという信頼も得られます。
委任事務の内容は、委任者が亡くなった後の葬儀・火葬・埋葬、埋葬後のお墓の管理と
永代供養、親族や友人等への連絡、施設や病院との精算、住居の明渡しなどです。
これらの死後事務の結果については、委任者が直接実感することはできませんが、契約
していることによって、終末期に感じる不安などの感情が和らぎ、人生の最後まで自立
した生活を送ることができるようになります。
そして、人生の残りの時間を、自分らしく過ごしていただけるよう、孤独や不安と向き
合う委任者に寄り添い、精神的な支えとなることも受任者の大切な役割と考えます。