相続開始前の相続人死亡

遺言者の死亡により相続が開始したが、遺言により財産を相続する予定であった相続人

(受益相続人)がそれより前に死亡していた場合、遺言の効力はどうなるのでしょうか。

最高裁の判例によれば、この場合には、原則としてその遺言は失効します。そのため、

例えば、(受益相続人である)子が遺言者の死亡以前に死亡した場合は、遺言者の孫に相続

させる等遺言書に予備的条項を設けることがよく行われています。

遺言は、遺言者の想いを実現するために作成するものです。遺言は、遺言者が内容を口述

し署名も可能な元気なうちに公正証書遺言で作成するのが紛争の予防につながります。

特に、相続の手続きに困難が想定されるような場合には手続きがスムーズに進められるよう

に遺言書を作成しておくと良いでしょう。

 

遺言は公正証書で

公正証書遺言は、自筆証書遺言と比べて、公証人に作成してもらわなければならないうえに

証人も二人以上必要ですし、費用も掛かります。しかし、公証人が関与するため、遺言者の

意思を正確に反映した内容に問題のない遺言が作成できます。また、自筆証書遺言の場合に

は、家庭裁判所の検認手続きが必要ですが、公正証書遺言はこの手続きを経る必要がありま

せん。

その他、公正証書遺言は、紛争になることが少ない、滅失や偽造、変造のおそれがない等が

自筆証書遺言にはないメリットといえます。

 

 

 

保証人と消滅時効

通常は、主たる債務に時効中断が発生すると保証債務にも効力は及ぶため、

保証債務の時効が完成することはありません。

しかし、主たる債務の消滅時効が完成した場合には、主債務者が消滅時効を

援用しないときでも、保証人が主債務者の消滅時効の援用をすることが可能

です。この場合、主たる債務は時効により消滅し、附従性により保証債務も

消滅することになります。

長期間支払をしていなかった債務について、債権者から請求がなされた場合

には、慌てずに消滅時効について検討する必要があります。

 

時効の中断について

時効の中断とは、時効の進行中に中断事由が発生した場合に、それまで経過した期間を

無意味にすることを言います。

時効の中断事由には、「請求」「差押え、仮差押え又は仮処分」「承認」があります。

ここでの「請求」とは、訴え提起などの「裁判上の請求」「支払督促」「和解申立て」

「破産手続き」など法的手続きによる請求をいいますので、法的手続外の請求は「催告」

として区別されています。

つまり、貸金業者による請求書の送付や訴訟予告通知などはこの「催告」にあたります。

この「催告」は、6か月以内に時効中断事由となる裁判上の「請求」等をしなければ、

時効中断の効力は発生しません。

なお、「催告」をすることにより、6か月は時効期間が延長されることになりますが、

延長されるのは一度であり催告を繰り返しても、時効期間の再延長はできません。

貸金業者から突然過去の借金の請求書や訴訟予告通知が何度も送られてくるような場合は、

実は時効期間が過ぎているかもしれません。

 

借金の消滅時効

長期間返済していない借金について、消費者金融などからある日突然、請求がなされることがあります。

最後に返済または借入をしてから5年以上経過している場合、すでに時効かもしれません。

慌ててすぐに支払ったり、業者と連絡をとる前に、消滅時効の完成を検討する必要があります。

ご自身で判断が付かない場合には、ひとりで悩まず、お気軽にご相談ください。