帰化とは

帰化は、日本国籍を取得することです。
国籍法には、普通帰化、簡易帰化、大帰化の規定があり、それぞれ帰化条件
も異なります。
まず、普通帰化は、例えば、外国で生まれ、留学生として来日し、卒業後も
帰国せず日本で就職した外国人などが該当します。
このような外国人の帰化許可の前提条件として、国籍法5条は、以下の6つ
を規定しています。
 ア 住所条件
 イ 能力条件
 ウ 素行条件
 エ 生計条件
 オ 重国籍防止の条件
 カ 不法団体条件
アの住居条件には、「引き続き5年以上日本に住所を有すること。」と規定
されていますが、例えば、3年間日本に住んで、その後1年海外に居住して
から2年間日本に住んだという場合は、海外に行く前の3年間は加算対象に
ならないため「引き続き5年以上」にあたりません。
住居条件の注意点は、1回の出国日数が3か月を超える場合や1回の出国が
3か月以内でも1年の合計で150日を超える場合では居住歴が中断された
と判断される可能性が高くなります。
また、「引き続き5年以上」の期間には、就労系の在留資格で働いた期間が
3年以上あることが必要です。例えば、留学の在留資格で2年、経営管理の
在留資格で3年、合計5年なら条件を満たします。
例外は、10年以上日本に住んでいる外国人です。この場合は、就労経験
1年以上で条件を満たします。

その他の条件については、次回へ

個人再生手続きと住宅ローン

住宅ローンを抱えている債務者が再生手続きを利用する場合には、住宅資金貸付債権の特則
(住宅ローン特則)付で利用すると住宅を維持しながら住宅ローン以外の債権をカットした
うえで分割払いとする債務整理をすることが可能です。
この住宅ローン債務は、住宅ローン債権者の同意がなければ一切減免できないことになって
います。
また、再生計画の効力は、担保権、保証人及び他の連帯債務者に対して及びませんが、住宅
ローン特則付の再生計画における住宅ローンに関しては担保権、保証人及び他の連帯債務者
に対しても再生計画の効力が及ぶとされています。そのため、住宅ローン特則付再生計画が
成立した場合は、再生計画に従って弁済を続ける限り、担保権の実行や保証人が別途支払を
しなければならないという事態を防ぐことができます。
なお、住宅ローンを抱えた債務者が常にこの特則を利用できるとは限りません。利用の可否
については、法律相談をご利用ください。

個人再生手続きとは

当事務所では、個人再生手続きを利用して債務整理をするケースが多くなっています。
個人再生手続きは、例えば債務が500万円である場合、このうち100万円を3年間
で返済するという再生計画案を立て、これが裁判所に認可され再生計画案どおり3年間
で返済すれば、残りの400万円の債務が免除される手続きです。
個人再生手続きは、債務の総額(住宅ローンや担保付債権のうち回収見込額、罰金など
を除きます)が5000万円以下の個人で将来において一定の収入を得る見込みのある
個人が利用可能です。
個人再生手続きは、申立人が破産者になるわけではありませんので、自己破産のような
資格制限はありません。また、住宅ローン特別条項を利用することによって自宅を手放
さずにすみます。
個人再生手続きにおける弁済期間は、原則3年間ですが、特別の事情があれば5年を超
えない範囲内で延長することが可能です。
任意整理は厳しいが、破産はしたくないという場合、この個人再生手続きの利用を検討
してはいかがでしょうか。

忘れた頃の差押え予告通知

 債務者は、貸金業者との間で借入と返済を繰り返してきたが何等かの事情で
支払を停止していたケースです。
 一般に貸金業者との取引停止から5年以上経過している場合は、消滅時効を
検討します。但し、貸金業者が判決等の債務名義を取得している場合は、時効
期間は10年になりますので注意が必要です。
 一部の貸金業者は、すでに消滅時効にかかった債権の取り立てのために差押
予告と題する通知を送りつけ、連絡のあった債務者に和解をせまったり、突然
債務者の自宅を訪問して債権額の一部の支払をさせて消滅時効の主張を封じる
事実づくりをするケースがあります。
また、訴訟手続きを利用して消滅時効にかかった債権を請求してくる貸金業者
もあります。
 このように長年支払っていなかった債務の返済を迫られた場合には、最後に
借入や返済をしたのはいつなのか確認する必要があります。この最後の取引日
が5年以上前で債権者が債務名義を取得していなければ債権が消滅時効により
消滅している可能性が高いと考えられます。
 なお、債務者の中には、消滅時効期間経過後に貸金業者からの請求に応じて
支払をしてしまうことがありますが、債務者の無知に付け込んで支払わせる等
支払をした事情によっては貸金業者に対して消滅時効を援用することができる
とした裁判例もありますのであきらめずに相談してください。

年末年始休暇について

当事務所の年末年始のスケジュールは以下のとおりです。

年末は、12月28日まで
年始は、1月9日から通常通り営業を開始いたします。

時効完成後の一部弁済

時効完成後の一部弁済は、時効中断事由の債務承認にあたるため、仮に
時効完成を知らずに一部弁済したとしても、その後に時効援用できない
ことは確定した判例理論です。
しかし、債務者の無知や畏怖に乗じて甘言を弄して一部弁済させた場合
、債務者の無知に乗じて欺瞞的な方法を用いて一部弁済を促したり、取
立行為が違法な場合など下級審の判例には信義則上援用権を喪失させる
事情に当たるとはいえないとしたものもあります。つまり時効完成後の
一部弁済の後でも時効援用できる場合があるということです。
最終取引から5年以上経過した借金の督促があったら、まず時効援用が
できないか検討することをおすすめします。

債務整理の相談について

債務整理の相談者の中には、取り立ての厳しいヤミ金や消費者金融等だけを申告
して相談されるケースがあります。
債務整理は、債務者が抱えているすべての債務を把握したうえで債務整理の方針
を決定するために銀行等の住宅ローンやクレジット会社からの借入や商品購入、
友人等からの借入、生命保険の契約者貸付、家賃の滞納、税金や社会保険の滞納
、保証人や担保の有無などすべてを明らかにしてもらう必要があります。
負債の一部を秘密にしたままでは債務整理に悪影響を及ぼします。
当職を信頼し隠さずに相談してください。
一緒に最善の方法を考えましょう。

相続の単純承認について

相続人が、被相続人のプラスの財産も借金などのマイナスの財産もすべて相続
することを単純承認といいます。
法律では、相続人が単純承認をする意思を表示した場合、相続人が相続開始を
知って3か月経過しても「限定承認」や「相続放棄」の手続きをしない場合、
相続人が被相続人の財産を使った場合、いずれも単純承認とみなされます。
なお、生命保険金や遺族年金の受取をして問題ないかという質問を受けること
がありますが、これらについて受給をしても単純承認とはならないとされてい
ますので受け取っても問題ありません。

妻だけに財産を残したい

夫婦に子どもが無く、妻以外の身内は兄弟姉妹だけの場合、遺言を残さずに
夫が亡くなると法定相続分に従い配偶者たる妻が4分の3を相続、兄弟姉妹
が残り4分の1を相続することになります。仮に兄弟姉妹が相続開始以前に
死亡していた場合には、その子(被相続人の甥や姪)が代襲相続します。
このようなケースで夫が財産全部を妻に残したい場合、その想いは、遺言に
よって実現することが可能です。
兄弟姉妹には、遺言によっても奪うことのできない遺留分がないため、遺言
によって被相続人の望みどおりに全財産を残すことができます。

差押え

差押えには、大まかに「借金」が原因の場合と「税金」が原因の場合があります。
刑事手続き上の差押えもありますがここでは触れません。

借金が原因の場合は、債務者の財産(不動産や銀行預金、給与、売掛金など)を差押える
には確定判決や和解調書等の債務名義が必要です。

これに対し、税金の場合は、「督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに
完納しないとき」に有無を言わさず差押えが可能です。

事業主の方から、債務整理の相談の際に税金の滞納を放置したために売掛金を差し押さえ
され借金の返済が困難になったというお話を聞くことがあります。

事業を継続するためには、税金の滞納を放置せず、話し合いで分納にするなど貸金業者や
金融機関への返済よりも納税の義務を優先しましょう。