在日外国人が新宿で遺言をする方法|準拠法・有効要件・手続きを司法書士がわかりやすく解説

日本に暮らす外国籍の方が「遺言を残したい」と思ったとき、まず頭に浮かぶのが「どの国の法律に従えばいいの?」という疑問ではないでしょうか。
そうなんですね。実はこの問いは、日本に住む多くの外国籍の方が感じる、非常にリアルなお悩みです。言語の壁もあり、「手続きが複雑そうで後回しにしてしまっている」という方も少なくありません。でも、遺言は大切な家族のために残せる最後のメッセージ。ぜひ、早めに整理しておきたいですよね。
⚠️ 本記事の情報は執筆時点のものです。法改正・制度変更の可能性がありますので、最新情報は必ず専門家にご確認ください。
在日外国人の遺言、まずは「どの法律が適用されるか」を知ろう

遺言をめぐる法律の問題を考えるうえで、まず2つの視点を分けて理解することが大切です。それが「①遺言の方式(形式)の問題」と「②遺言の成立・効力の問題」です。この2つを混同してしまうと、せっかく作成した遺言が無効になってしまうケースも…。慎重に!確認していきましょう。
①遺言の「方式」に関する準拠法
遺言の「方式」とは、自筆で書く・公証人の前で作成するといった、遺言の形式的なルールのことです。在日外国人の方の遺言の方式については、「遺言の方式の準拠法に関する法律」(昭和39年法律第100号)第2条が定めています。
同条によれば、下記のうちいずれかの国の法律に従った方式で遺言を作成すれば、方式上は有効な遺言と認められます。
| 号 | 準拠法の選択肢 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 一 | 行為地法 | 遺言をした場所の国の法律 |
| 二 | 国籍法 | 遺言成立または死亡の当時に国籍を有していた国の法律 |
| 三 | 住所地法 | 遺言成立または死亡の当時の住所地の国の法律 |
| 四 | 常居所地法 | 遺言成立または死亡の当時の常居所地の法律 |
| 五 | 不動産所在地法 | 不動産に関する遺言の場合、その不動産がある国の法律 |
条文上は第二号・第三号・第四号それぞれに「遺言成立または死亡の当時」という表現が使われています。つまり、遺言を作成した時点と死亡した時点のどちらかで要件を満たしていれば、その国の法律を選択できるという、遺言者に有利な設計になっているわけです。いいですね!
在日外国人の方が日本国内で日本法の方式(自筆証書遺言・公正証書遺言など)に従って遺言を作成すれば、第一号(行為地法)または第三号・第四号(住所地法・常居所地法)により、方式の面では有効と認められます。一時的に日本に滞在している外国人の方も、第一号の行為地法として日本法を選択することが可能です。
「選択肢がこんなにあるの?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。これは、遺言者の利便性を守るための国際的な取り決め(「遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約」、いわゆるハーグ条約)に沿って、日本が国内法を整備したことによるものです。
②遺言の「成立・効力」に関する準拠法
方式の問題とは別に、遺言の内容そのもの(遺言能力・意思表示の瑕疵・効力発生時期・撤回の可否など)については、「法の適用に関する通則法」第37条第1項が適用されます。
同条では「遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による」と定めています。たとえば中国籍の方であれば、原則として中国法が遺言の成立・効力の準拠法となります。
ただし、例外として「反致(はんち)」という制度があります。
反致とは?
本国法(例:中国法)の国際私法ルールが「この問題には住所地法(日本法)を適用する」と定めている場合、通則法第41条により日本法が適用されることになります。遺言については同条が適用されますので、本国法の内容によっては日本法が準拠法となるケースがあります。
反致が成立するかどうかは、各国の国際私法の内容を調べたうえで専門的に判断する必要があります。ぜひ司法書士などの専門家にご相談されることをおすすめします。
日本で作れる遺言の種類と在日外国人への注意点

「形式的に有効」であることがわかったとして、実際にはどんな方式で遺言を作成するのがいいのでしょうか。日本の民法が定める主な遺言の方式は3種類です。
自筆証書遺言
遺言者が全文・日付・氏名を自筆(手書き)で記載し、押印するものです(民法第968条)。費用がかからない反面、形式の不備で無効になるリスクもあります。2019年の法改正(2020年施行)で財産目録のみパソコン作成が認められるようになりましたが、それ以外の本文は手書きが必須です。
在日外国人の方が自筆証書遺言を作成する場合、民法上は使用言語の規定がないため、一般的には母国語で書いても有効と解されています。ただし解釈に争いが生じるリスクもあるため、後の手続きで翻訳が必要になることも踏まえると、日本語での作成または専門家への事前相談をおすすめします。
公正証書遺言
公証人(国が任命した法律の専門家)の前で遺言の内容を口述し、公証人が書面を作成する方式です(民法第969条)。費用はかかりますが、形式不備で無効になるリスクが極めて低く、原本が公証役場に保管されるため紛失の心配もありません。在日外国人の方には、この方式が特におすすめです。
公証役場では通訳を介して手続きを進めることが可能な場合もありますが、事前確認が必要です。新宿エリアの公証役場への同行サポートは、当事務所でも対応していますのでお気軽にご相談ください。なお、公正証書遺言の作成には証人2名の立会いが必要で、相続人・受遺者やその親族は証人になれません(民法第974条)。
秘密証書遺言
遺言の内容を秘密にしたまま、公証人に遺言書の存在だけを証明してもらう方式です(民法第970条)。実務では利用されることが少なく、形式の不備リスクもあるため、あまり推奨されていません。
| 遺言の種類 | メリット | デメリット | 外国人への推奨度 |
|---|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 費用不要・手軽 | 形式不備リスクあり・紛失リスクあり | △ |
| 公正証書遺言 | 安全・確実・原本保管 | 費用がかかる | ◎ |
| 秘密証書遺言 | 内容を秘密にできる | 不備リスクあり・実務で稀 | × |
遺言作成に必要な書類と手続きの流れ

実際に遺言を作成するには、どのような書類や手順が必要なのでしょうか。公正証書遺言を作成する場合の一般的な流れをご紹介します。ケースによって異なる場合がありますので、あくまで目安としてご確認ください。
公正証書遺言の作成ステップ
- 内容の整理:誰に何を相続させるかを整理する
- 司法書士などへの相談:準拠法・遺言内容のアドバイスを受ける
- 公証役場への事前相談・予約:公証人と内容を事前確認
- 必要書類の収集:下記表を参照
- 公証役場での作成・署名:証人2名の立会いのもとで作成(民法第969条)
- 原本の保管:公証役場で原本保管、遺言者に謄本が交付される
公正証書遺言に必要な主な書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 遺言者の本人確認書類(在留カード等) | 有効期限内のもの |
| 遺言者の印鑑 | 認印・実印は公証役場の指示による |
| 相続人・受遺者の住民票または戸籍 | 関係を証明するため |
| 財産に関する資料(不動産登記事項証明書・通帳の写し等) | 財産の特定のため |
| 証人2名の本人確認書類 | 司法書士が証人を務める場合も |
📝 在日外国人の方は追加書類が必要な場合があります。 在留カード・パスポートなど国籍を証明できる書類の原本確認が求められるケースが多く、事前に公証役場へご確認されることをおすすめします。
相続登記義務化との関係にも注意!

2024年4月1日から、相続登記(不動産の名義変更)が義務化されました。相続の発生を知った日から3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料の対象となります(不動産登記法第76条の2)。これは外国籍の相続人・日本国外に居住している相続人にも例外なく適用されます。
在日外国人の方が不動産を遺言で残す場合、受遺者が海外在住のケースも多く、手続きが複雑になりがちです。遺言を作成する段階から、登記のことも視野に入れた準備をしておくと安心ですよね。相続登記のサポートも、当事務所にお任せください。
在日外国人の遺言で「やりがちな失敗」

当事務所にご相談いただくなかで、スタッフとして気になることがあります。「遺言を書いたつもりだったのに、形式の不備で無効になっていた」というケースが、思いのほか多いのです。
特に多いのが次のような失敗例です。
- 日付の記載が曖昧だった(「○年○月吉日」などは無効とされています)
- 全文が手書きではなかった(自筆証書遺言の場合、本文のパソコン入力は無効)
- 印鑑を押し忘れた
- 証人が相続人・受遺者の親族だった(民法第974条の欠格事由に該当)
- 準拠法の確認をせずに作成し、本国法との整合性が取れなかった
「大切な家族を守るために残した遺言が、手続き上の問題で無効になってしまった」というのは、本当に残念なことですよね。だからこそ、慎重に!専門家への事前相談が、遺言の有効性を守る最大のポイントです。新宿駅南口から徒歩7分の当事務所まで、どうぞ気軽にお立ち寄りください。
まずはお気軽にご相談ください
在日外国人の方の遺言についてご不安なことがあれば、どうぞ一人で抱え込まないでください。星総合法務事務所では、新宿・渋谷エリアを中心に、皆さまの大切な手続きを丁寧にサポートしています。
司法書士【星総合法務事務所】
📍 東京都渋谷区代々木2丁目20番2号 美和プラザ新宿501
📞 TEL:03-6709-2916
🚶♂️ 新宿駅南口から徒歩7分
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🌐 https://hoshi-office.com/
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よくあるご質問(FAQ)
Q1. 在日外国人でも日本で遺言を作成できますか?
はい、作成できます。「遺言の方式の準拠法に関する法律」第2条により、日本に住所・常居所を持つ外国籍の方は、日本法の方式(自筆証書遺言・公正証書遺言など)に従って遺言を作成すれば、方式の面では有効な遺言とみなされます(同条第三号・第四号)。一時的な滞在者も行為地法(第一号)として日本法を選択できます。
Q2. 遺言の成立・効力はどの国の法律が適用されますか?
「法の適用に関する通則法」第37条第1項により、原則として遺言成立の当時における遺言者の本国法が適用されます。ただし、本国の国際私法ルールが住所地法(日本法)を指定している場合は、通則法第41条の「反致」により日本法が適用されることもあります。国ごとに異なりますので、専門家への確認をおすすめします。
Q3. 遺言は日本語で書かなければなりませんか?
民法上は使用言語の規定がなく、一般的には母国語での作成も有効と解されています。ただし、相続手続きの際に翻訳が必要になるなど実務上の負担が生じるケースがあります。公正証書遺言の場合は通訳を介した手続きが可能な公証役場もありますが、事前確認が必要です。いずれにしても専門家への相談を強くおすすめします。
Q4. 在日外国人が不動産を遺言に含める場合、特別な注意点はありますか?
日本国内の不動産については、「遺言の方式の準拠法に関する法律」第2条第五号により、不動産所在地法(日本法)が方式の準拠法として選択できます。また2024年4月1日から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内の登記が必要です(不動産登記法第76条の2)。外国籍・海外在住の相続人にも適用されます。
Q5. 新宿近くで在日外国人の遺言相談ができる司法書士事務所を探しています。
星総合法務事務所(東京都渋谷区代々木2丁目20番2号 美和プラザ新宿501)では、在日外国人の方の遺言・相続手続きについてのご相談を承っています。新宿駅南口から徒歩7分、京王新線・都営大江戸線の6番出口からは徒歩2分とアクセス良好です。準拠法の確認から遺言書作成のサポート、相続登記まで、ワンストップで対応しています。TEL:03-6709-2916