債権調査の結果を踏まえ、依頼者と協議のうえ債務整理の方針を決定します。
方針を決定する際の一般的な基準は、債務者が分割により支払を継続し、債務を完済できる
見込みがあれば「任意整理」または「特定調停」、分割の支払でも支払不能となるおそれの
ある場合には「個人民事再生」、支払不能であれば「破産」です。
この場合の「支払不能」とは、判例によれば、債務者が一般に金銭の支払をすることができ
ない客観的な状態をいい、弁済力の有無は財産・信用・労務の三つを総合的に判断する必要
があり、さらに一時的な延滞ではなく債務を弁済できない状態が継続的である状態をさす、
としています。つまり、財産が無くとも信用や労務によって支払可能な場合は支払不能とは
言えませんし、反対に財産があっても換価が困難で信用や労務による弁済も不可能の場合は
支払不能となりえます。
支払不能か否かは、負債額による基準はなく、債務者の収入、家計状況等により個別に判断
することになります。そのため、生活保護を受けている場合や収入が低いなど債務者の事情
により負債総額が100万円以下であっても破産が認められることがあります。
また、債権調査の結果、破産又は個人民事再生が妥当する場合であっても債務者の多くは、
できれば返済の努力をしたいと希望します。
しかし、債務者は、多くの場合、家計状況等を精査すると返済する余裕はなく、借金の返済
が無くなって辛うじて収入内での生活が可能な状況になっています。
借金が増え、毎月の家計収支がマイナスの状態は債務整理で改善できるかもしれません。