成年後見制度とは?遺言書の準備と併せて新宿の司法書士が徹底解説

成年後見制度とは?遺言書の準備と併せて新宿の司法書士が解説のイメージ

「親がだんだん物忘れが増えてきて、将来、銀行の手続きや介護施設の契約はどうなるのだろう」「自分が認知症になったとき、財産管理は誰に頼めばいいのだろう」——そんな漠然とした不安を抱えている方は少なくありません。

そうなんですね。実は、こうしたご相談は星総合法務事務所にも本当に多く寄せられます。判断能力が低下してしまってから慌てて動き出すご家族も多いのですが、実際には「元気なうちに準備しておけば防げたはず」というケースがほとんどなんです。

この記事では、判断能力が低下した方を守る「成年後見制度」の基本と、あわせて考えておきたい「遺言書の準備」について、できるだけわかりやすく解説していきます。読み終えたころには、ご自身やご家族にとって、いま何から手を付ければよいのか、きっと見えてくるはずです。

新宿駅南口から徒歩7分の場所に事務所を構える星総合法務事務所では、成年後見や遺言書作成に関するご相談を数多く承っています。実際に相談窓口に立っていると、「後見」と「遺言書」を別々のものと考えている方がとても多いのですが、この二つはどちらも「判断能力がしっかりしているうちにしか準備できない」という共通点を持つ、いわば表と裏の関係にあるんです。難しい制度だからこそ、まずは正しい知識を持つことが第一歩ですね。

目次

成年後見制度とはどんな制度なのか

現在、65歳以上のおよそ16%、80代後半になるとおよそ40%の方が認知症であるといわれています。認知症によって判断能力が低下してしまうと、法律上、契約などの法律行為を単独で行うことが難しくなります。銀行から預金を引き出すことも、施設に入居するための契約を結ぶことも、本人だけの意思では進められなくなってしまうのです。

そこで用意されているのが「成年後見制度」です。判断能力が不十分になった方に代わって、財産管理や契約などのサポートを行う人(後見人等)を選任し、本人の生活と権利を守るための仕組みですね。

成年後見制度は、大きく「法定後見」と「任意後見」の二つに分けられます。どちらも「本人を守る」という目的は同じですが、利用するタイミングと仕組みが異なります。この違いを理解しておくことが、制度を正しく活用するための第一歩になると思いませんか?

法定後見とは

法定後見は、すでに本人の判断能力が低下してしまっている状態にあるときに利用する制度です。本人や四親等内の親族などが家庭裁判所に申し立てを行い、家庭裁判所が後見人等を選定します。

現行制度では、本人の判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」という3つの類型が設けられており、それぞれ与えられる権限の範囲が異なります。すでに判断能力が低下してから動き出す制度であるため、「誰が後見人になるか」を本人が自由に選ぶことは基本的にできません。

任意後見とは

これに対して、任意後見は将来、認知症などの理由で判断能力が失われてしまったときに備えて、あらかじめ自分の財産管理や身上監護を担ってくれる人と契約しておく制度です。

判断能力が衰える前に、自分の意思で後見人(任意後見受任者)を選んで契約を結んでおく点が、法定後見との大きな違いです。「この人に自分の生活を任せたい」という希望を、元気なうちに形にできるのが任意後見の一番のメリットといえますね。

法定後見と任意後見の違いを比較

どちらの制度を検討すべきか迷う方も多いので、ここで主な違いを整理してみましょう。

項目法定後見任意後見
利用開始のタイミング判断能力がすでに低下したあと判断能力が低下する前にあらかじめ契約
後見人の決め方家庭裁判所が選任(本人は選べない)本人が信頼できる人を自由に選べる
契約の形式契約不要(申立てのみ)公正証書での契約が法律上必須
権限の範囲類型(後見・保佐・補助)に応じて法律で定まる契約の内容に応じて個別に設定できる
監督の仕組み家庭裁判所が直接監督家庭裁判所が選任する任意後見監督人が監督

このように並べてみると、両制度の違いがはっきり見えてきますね。頼れる親族が身近にいない方の場合、お元気なうちに信頼できる人と任意後見契約を結んでおけば、認知症などで判断能力が衰えてしまっても、任意後見人が暮らしを支えるお手伝いができるので安心です。

任意後見契約の仕組みと監督人の役割

任意後見契約書は、公正証書によって作成することが法律上義務付けられています。口約束や私文書だけでは効力が認められないので、慎重に!この点は特に押さえておいていただきたいポイントです。

任意後見の効力が発生するのは、本人の判断能力が実際に低下した段階です。本人、四親等内の親族、または任意後見受任者からの請求によって、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任し、この時点から契約の効力が生じます。

任意後見監督人は、任意後見人が契約の内容に従って財産管理等をきちんと行っているかを監督する重要な役割を担います。もし任意後見人に不正な行為があった場合には、家庭裁判所に対して任意後見人の解任を申し立てることも可能です。この監督の仕組みがあることで、「信頼して任せた人が本当にちゃんと動いてくれるか」という不安を一定程度和らげてくれる、と感じるご相談者様も多いですね。

今から準備しても大丈夫?改正の動きと今すべきこと

いかがでしょう。ここまでご説明した内容は現行制度の基本ですが、実は成年後見制度は今、大きな転換期を迎えています。「制度が変わるなら、準備するのはもう少し待ったほうがいいのでは?」と聞かれることもよくあるのですが、結論から言うと、今から準備を進めていただいて大丈夫です。その理由も含めて、改正の内容を見ていきましょう。2026年6月17日、成年後見制度の抜本的な見直しを盛り込んだ改正民法が国会で成立しました。これは2000年に制度が始まって以来、約26年ぶりの大規模な見直しです。

改正の大きな柱として、次のような方向性が示されています。

  • 現行の「後見・保佐・補助」の3類型を、原則として「補助」に一本化する
  • これまで「原則亡くなるまでやめられない」とされてきた終身制を見直し、必要性がなくなれば家庭裁判所の判断で途中終了できるようにする
  • 本人の状況に合わせて、代理権や同意権の範囲を個別に設定できる「オーダーメイド型」の支援へ移行する
  • 本人の同意をより重視し、意思決定支援の考え方を制度の根幹に位置づける

ただし、この改正はまだ「成立した」段階であり、実際に新制度が利用できるようになるのは、法律の公布から2年6か月以内とされており、早くても2028年ごろになる見込みです。今のところは、現行の成年後見制度がそのまま適用されていますので、この記事でご説明した内容で問題なくご利用いただけます。最新の施行状況については、必ず最新の情報をご確認いただくことをおすすめします。制度が変わる過渡期だからこそ、今の制度を正しく理解しておくことが、これからの選択にもつながっていくと思いませんか。

成年後見制度と一緒に考えたい「遺言書」の準備

冒頭でも少し触れましたが、成年後見制度とあわせてぜひ考えておきたい大切な準備が「遺言書」です。成年後見(特に任意後見)は「判断能力が低下したあとの生活や財産管理」を支える仕組みですが、遺言書は「自分が亡くなったあとの財産の分け方」を自分の意思で決めておく仕組み。役割は違いますが、どちらも判断能力がしっかりしているうちにしか手を付けられない、という共通点があります。

「うちは財産も少ないから遺言書なんて必要ない」と思われる方も多いのですが、実際のご相談では、財産の多い少ないにかかわらず、遺言書がないことで相続人同士の話し合いがまとまらず、時間も気持ちも大きく消耗してしまうケースを何度も見てきました。あるあるな話ですが、「きっと大丈夫だろう」と先延ばしにしてしまう方が本当に多いんです。

遺言書の主な種類

遺言書には主に次のような種類があります。それぞれメリット・デメリットが異なりますので、比較して整理してみましょう。

種類作成方法費用の目安特徴
自筆証書遺言本人が全文・日付・氏名を自書し押印ほぼかからない(法務局保管制度利用時は少額の手数料)手軽だが形式不備で無効になるリスクもある。法務局の保管制度を使えば紛失・改ざん対策になり、家庭裁判所の検認も不要になる
公正証書遺言公証人が遺言者の口述をもとに作成、証人2名の立会いが必要ケースによって異なりますが、財産額等に応じた公証人手数料が発生形式面の不備が起こりにくく、原本が公証役場で保管されるため紛失・改ざんのリスクが低い。家庭裁判所の検認も不要
秘密証書遺言本人が作成し、内容を明かさずに公証人・証人に証書の存在のみ証明してもらうケースによって異なります内容を誰にも知られずに済むが、利用件数は少なく実務上の選択機会は限られる

なお、2026年6月に成立した改正民法では、パソコンやスマートフォンで作成した遺言を法務局に保管してもらう「デジタル遺言(保管証書遺言)」という新しい方式も創設されました。手書きや押印の負担を軽減できる制度として注目されていますが、こちらもシステム整備のため、施行は公布から3年以内とされており、実際に利用できるようになるのはまだ先の見込みです。現時点では、従来の自筆証書遺言や公正証書遺言で準備を進めていただく形になりますね。

遺言書の準備を始めるタイミング

遺言書は「まだ早い」と思われがちですが、認知症などで判断能力が低下してしまったあとに作成した遺言書は、有効性そのものが争われる原因にもなりかねません。だからこそ「まだ大丈夫」と思える今のタイミングが、実は一番のチャンスなんです。

星総合法務事務所にご相談いただく方の中には、「任意後見契約を結ぶタイミングで、一緒に遺言書も準備しておきたい」という方も多くいらっしゃいます。将来の生活を支える備えと、遺した財産をどう分けるかという備えを、セットで考えておくと安心感がぐっと増しますね。いいですね、そんなふうに一歩ずつ準備を進めていく姿勢が、ご家族の安心にもつながっていくと思います。

相談先を選ぶときに知っておきたいこと

成年後見の申立て手続きや任意後見契約書の作成支援、遺言書作成のサポートは、司法書士の重要な業務の一つです。星総合法務事務所は簡裁代理認定司法書士(第101248号)として、140万円以下の民事紛争についても対応可能な体制を整えています。

一方で、相続や後見をめぐって相続人間に深刻な争いが生じている場合の代理交渉など、弁護士のみが対応できる業務も法律上存在します。「司法書士に頼めば何でも解決できる」と誤解されている方もときどきいらっしゃいますが、業務の範囲を超えるご相談については、適切な専門家との連携も含めてご案内しております。まずはお気軽にご相談いただき、どこまでサポートできるかを一緒に確認していきましょう。

よくある相談内容(FAQ)

Q1. 成年後見制度と任意後見制度、結局どちらを選べばいいのですか?
A1. すでにご家族の判断能力が低下している場合は法定後見、まだ判断能力がしっかりしている段階で将来に備えたい場合は任意後見が基本的な考え方です。ご本人が元気なうちであれば、後見人を自分で選べる任意後見のほうが、希望を反映しやすい傾向があります。ご状況に応じて、どちらが適しているか一緒に整理することをおすすめします。

Q2. 任意後見契約は自分で作成した書面でも有効ですか?
A2. いいえ、任意後見契約書は公正証書によって作成することが法律上義務付けられています。私文書や口約束では効力が認められませんので、必ず公証役場での手続きが必要になります。

Q3. 任意後見人にはどんな人でも自由に選べますか?
A3. 基本的にはご本人が信頼できる方を自由に選ぶことができます。ただし、任意後見人が契約どおりに財産管理を行っているかは、家庭裁判所が選任する任意後見監督人によって監督される仕組みになっています。不正があった場合は解任の申立ても可能です。

Q4. 成年後見制度は近いうちに変わると聞きましたが、今から準備しても大丈夫ですか?
A4. 2026年6月に成立した改正民法により、将来的に制度の内容が見直される予定ですが、実際に新制度が使えるようになるのは早くても2028年ごろの見込みです。現時点では従来の成年後見制度がそのまま適用されますので、今から準備を進めていただいて問題ありません。制度の詳細は今後変わる可能性がありますので、最新の情報は必ずご確認ください。

Q5. 成年後見の準備と遺言書の準備は、一緒に進めたほうがいいのでしょうか?
A5. どちらも判断能力がしっかりしているうちにしか準備できない点で共通しているため、あわせて検討される方が多くいらっしゃいます。「生きている間の財産管理」を支える任意後見と、「亡くなったあとの財産の分け方」を決める遺言書を同時に整理しておくことで、ご本人もご家族も安心感が大きく変わってきます。

まずはお気軽にご相談ください

成年後見制度や遺言書の準備についてご不安なことがあれば、どうぞ一人で抱え込まないでください。星総合法務事務所では、新宿・渋谷エリアを中心に、皆さまの大切な手続きを丁寧にサポートしています。

司法書士【星総合法務事務所】
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