妻だけに財産を残したい|新宿の司法書士が遺言書で叶える方法を解説

「子どもがいないから、もし自分が先に逝ったら、妻の生活が心配で…」そんな思いを抱えたことはありませんか?
きちんと準備をしておけば、財産のすべてを妻だけに残すことは、法律上ちゃんと実現できます。ただ、何もしないまま亡くなってしまうと、思いがけず兄弟姉妹にも財産が渡ってしまうケースがあるんですね。
⚠️ 本記事の内容は執筆時点の法令に基づいています。法改正の可能性もありますので、最新情報は必ず専門家にご確認ください。
何もしないと妻に全財産は渡らない?

「財産は当然、妻に全部いくだろう」と思っていませんか?実はそうとは限らないんですね。
子どもがいない夫婦の場合、夫が遺言書を残さずに亡くなると、民法の定める法定相続分に従って遺産が分割されます。このとき、相続の優先順位は次のとおりです。
相続人の優先順位
| 順位 | 相続人 | 具体例 |
|---|---|---|
| 常に | 配偶者 | 妻・夫 |
| 第1順位 | 子(直系卑属) | 子・孫・ひ孫 |
| 第2順位 | 父母(直系尊属) | 両親・祖父母 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 兄弟・姉妹(甥・姪も含む場合あり) |
子どもがいない、かつ父母もすでに他界している場合、配偶者と第3順位の兄弟姉妹が相続人になります。
子どもなし・兄弟姉妹がいる場合の法定相続分
| 相続人 | 法定相続分 |
|---|---|
| 配偶者(妻) | 4分の3 |
| 兄弟姉妹(全員合計) | 4分の1 |
そうなんですね、妻が全部受け取れるわけではなく、兄弟姉妹にも4分の1が渡ってしまうんです。たとえば財産が4,000万円あれば、兄弟姉妹に1,000万円が渡ることになります。「妻の老後の生活費として全部使ってほしい」と思っていても、法律ではそうはならないケースがあるわけですね。
なお、兄弟姉妹が複数いる場合はその4分の1をさらに人数で分け合います。また、異父兄弟・異母兄弟がいる場合、その方の相続分は同父母兄弟の2分の1になるというルールも民法900条4号に定められていますので、ご注意ください(民法900条)。
甥や姪まで相続人になることも

「兄弟姉妹はもう亡くなっているから大丈夫」と思っている方も、少し慎重に!
兄弟姉妹が相続開始より先に亡くなっていた場合、その子ども、つまり被相続人の甥や姪が代わりに相続する「代襲相続」が発生します(民法889条2項)。疎遠だった甥姪が突然、相続人として現れる可能性があるんですね。
ただし、兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪の1世代のみに限られます。甥姪の子ども(被相続人からみると姪孫など)は代襲相続の対象にはなりません。これは子の代襲相続(孫・ひ孫と代々続く)とは異なるルールです(民法889条2項)。遺言書があれば、こうした甥姪への相続も防ぐことができます。
遺言書があれば、妻だけに全財産を残せる

では、どうすれば妻だけに全財産を残せるのでしょうか?答えはシンプルです。遺言書を作成しておくこと、これに尽きます。
遺言書があれば、法定相続分を超えて、あるいは法定相続人以外の方への財産移転も可能です。そして今回のケース(子どもなし・兄弟姉妹が相続人)では、遺言書の効果が特に発揮されます。
兄弟姉妹には「遺留分」がないから安心
遺言書の話をすると、「遺留分(いりゅうぶん)があるから結局は渡さないといけないんじゃ?」という疑問をよく受けます。そうなんですね、遺留分は確かに重要な概念です。
遺留分とは、一定の相続人に対して法律が最低限保障している財産取得の権利のことです(民法1042条)。
| 相続人の構成 | 遺留分合計 | 兄弟姉妹の遺留分 |
|---|---|---|
| 配偶者のみ | 財産の2分の1 | ─ |
| 配偶者+子 | 財産の2分の1 | ─ |
| 子のみ | 財産の2分の1 | ─ |
| 配偶者+父母 | 財産の2分の1 | ─ |
| 配偶者+兄弟姉妹 | 配偶者のみ 財産の2分の1 | なし(民法1042条) |
| 兄弟姉妹のみ | なし | なし(民法1042条) |
重要なポイントは、兄弟姉妹には遺留分が認められていないということです(民法1042条)。つまり、遺言書に「全財産を妻に相続させる」と書けば、兄弟姉妹や甥姪は遺留分を主張することができないんですね。
これは、子どもや両親が相続人の場合とは大きく異なる点です。たとえば子どもがいる場合に「全部妻に」と遺言しても、子どもは遺留分(財産の4分の1)を請求できます。でも兄弟姉妹にはその権利がない。だから、このケースでは遺言書の効果が100%発揮されるわけです。いいですね!
遺言書の種類と選び方

遺言書には主に3種類あります。それぞれメリットとデメリットがありますので、状況に合わせて選ぶことが大切です。
遺言書の種類比較
| 種類 | 作成方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 全文を自分で手書き | 費用がかからない・手軽 | 形式不備で無効になるリスクあり・紛失の恐れ |
| 公正証書遺言 | 公証人が作成・公証役場で保管 | 確実性が高い・紛失リスクなし | 費用がかかる・証人2名が必要(民法969条) |
| 秘密証書遺言 | 自分で作成し公証役場で存在証明 | 内容を秘密にできる | 手続きが複雑・実務では少ない |
一般的には公正証書遺言が最も確実で、トラブルになりにくいとされています。自筆証書遺言は費用がかからない反面、書き方のルールが細かく、ちょっとした形式の不備で無効になることがあります。慎重に!
なお、自筆証書遺言については、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用することで、紛失や改ざんのリスクを減らすことも可能です。この制度は2020年7月10日に施行されたもので、比較的低コストで利用できます(法務省「自筆証書遺言書保管制度」参照)。
遺言書に書くべき内容
「全財産を妻に」というシンプルな意思でも、遺言書には一定の形式と内容が必要です。
最低限盛り込みたい内容
- 遺言者(夫)の住所・氏名・生年月日
- 相続させる人(妻)の氏名・生年月日
- 相続させる財産の特定(不動産は登記簿どおりの記載、預貯金は金融機関名・口座番号まで)
- 「その他一切の財産を妻○○○○に相続させる」という包括的な文言
- 作成日(年・月・日を明記)
- 自筆署名・押印
特に不動産がある場合は、登記簿謄本を確認して正確な地番・家屋番号で記載することが重要です。曖昧な記載は後でトラブルのもとになりますので、専門家に確認してもらうことをおすすめします。
遺言執行者の指定も忘れずに
遺言書には遺言執行者を指定しておくことを強くおすすめします。遺言執行者とは、遺言の内容を実際に手続きしてくれる人のことで、遺言書で指定することができます(民法1006条)。妻ひとりで相続手続きを進めるのは大変ですし、兄弟姉妹が非協力的なケースも少なくありません。司法書士を遺言執行者に指定しておくと、スムーズに手続きが進みます。
遺言書作成の大まかな流れ

遺言書を作成する際の一般的なステップをご紹介します。ケースによって異なりますので、あくまでも目安としてご参照ください。
公正証書遺言の場合
- 財産の棚卸し:不動産・預貯金・有価証券などすべての財産をリストアップする
- 相続させたい内容の整理:誰に何を、どう残すかを決める
- 専門家への相談:司法書士に相談し、内容を整理する
- 公証役場への相談・予約:最寄りの公証役場に連絡し、日程を調整する
- 証人2名の手配:遺言者の家族や相続人以外の方が必要(専門家が紹介してくれることも多い)
- 公正証書遺言の作成・署名押印
- 原本を公証役場で保管(謄本は自分でも保管)
費用の目安について
公証人手数料は財産の額によって異なります。公証人手数料令に基づく目安として、例えば遺贈・相続させる財産が3,000万円の場合の公証人手数料は2万3,000円程度とされていますが、財産の総額・構成、遺言加算の有無、専門家への報酬などにより総額は大きく変わります。具体的な費用は事務所にお問い合わせいただくと確実ですね。
「遺言書、まだ早い」と思っていませんか?
相談にいらっしゃる方の中で、よく聞くのが「まだ元気だから遺言書は後でいい」という声です。そうなんですね、気持ちはよくわかります。でも、遺言書は元気なうちにこそ作るべきものなんです。
判断能力が低下したり、入院中になってからでは、遺言書の作成が難しくなることがあります。また、認知症と診断された後では、遺言書の有効性自体を争われるリスクも出てきます。「備えあれば憂いなし」という言葉どおり、元気で意思能力のある今が一番の適切なタイミングではないでしょうか。
司法書士に相談するメリット

遺言書の作成は自分でもできますが、司法書士に依頼すると次のようなメリットがあります。
- 形式不備による無効リスクを防げる:専門家がチェックするので安心
- 財産の特定を正確に行える:不動産登記情報の確認など専門的な対応が可能
- 遺言執行者として手続きをサポート:妻が一人で手続きしなくてよくなる
- 相続全体の流れをトータルで相談できる:税理士などとの連携もスムーズ
- 公正証書遺言の証人に関するご案内も可能:事前にご確認ください
新宿周辺にお住まいの方や、新宿・渋谷エリアにお勤めの方は、ぜひ星総合法務事務所へお気軽にご相談ください。新宿駅南口から徒歩7分、京王新線・都営大江戸線の6番出口からなら徒歩2分とアクセスも便利です。
まずはお気軽にご相談ください
遺言書の作成や相続についてご不安なことがあれば、どうぞ一人で抱え込まないでください。星総合法務事務所では、新宿・渋谷エリアを中心に、皆さまの大切な手続きを丁寧にサポートしています。
司法書士【星総合法務事務所】
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📞 TEL:03-6709-2916
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🌐 https://hoshi-office.com/
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よくある質問(FAQ)
Q1. 子どもがいない夫婦で、遺言書がないまま夫が亡くなった場合、妻はどれくらい相続できますか?
A. 夫の両親もすでに他界している場合、妻と兄弟姉妹が相続人になります。民法900条に基づく法定相続分は妻が4分の3、兄弟姉妹が合計4分の1です。妻に全財産を残したい場合は、遺言書の作成が必要です。
Q2. 兄弟姉妹に遺留分はありますか?遺言書の内容を無効にされることはありますか?
A. 民法1042条の規定により、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。そのため、「全財産を妻に相続させる」という内容の遺言書があれば、兄弟姉妹はそれに対して遺留分を請求することはできません。
Q3. 兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、相続はどうなりますか?
A. 兄弟姉妹が相続開始前に亡くなっている場合、その子ども(被相続人の甥・姪)が代わりに相続する「代襲相続」が発生します(民法889条2項)。ただし、代襲相続は甥・姪の1世代のみに限られ、甥姪の子は対象外です。遺言書があれば、甥姪への相続も防ぐことができます。
Q4. 遺言書にはどんな種類がありますか?司法書士にはどれを勧められますか?
A. 主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。確実性・安全性の観点から、公正証書遺言が最も推奨されます。自筆証書遺言は費用がかかりませんが、形式不備で無効になるリスクがあります。なお、2020年7月10日から法務局で自筆証書遺言を保管できる制度も利用可能です。
Q5. 遺言書の作成を司法書士に相談するメリットは何ですか?
A. 遺言書の形式不備を防ぎ、不動産登記情報の確認など財産の正確な特定をサポートします。また、遺言執行者として相続手続きを代行することも可能です(民法1006条)。妻が一人で複雑な手続きをしなくて済むよう、トータルでサポートを受けられます。新宿駅南口から徒歩7分の星総合法務事務所へ、まずはお気軽にご相談ください。