自筆証書遺言とは?改正で何が変わった?司法書士がわかりやすく解説

自筆証書遺言とは?改正で何が変わった?司法書士がわかりやすく解説

「遺言書って、全部手書きじゃないといけないの?」「法務局に預けられるって聞いたけど、どういうこと?」そんな疑問をお持ちの方、多いですよね。遺言のことは「まだ先でいいか…」と後回しにしてしまいがちですが、いざというときに備えておくことは、ご家族への大切なプレゼントだと思いませんか?

この記事では、自筆証書遺言に関する法改正のポイントを、新宿駅南口から徒歩7分の場所にある星総合法務事務所スタッフがわかりやすくご説明します。改正前と改正後の違い、法務局での保管制度のメリット・デメリット、そして検認手続きが不要になった背景まで、しっかりお伝えしていきます。

⚠️ 本記事でご紹介する法令・制度情報は執筆時点の内容をもとにしています。法改正により内容が変わる場合がありますので、最新情報は必ずご確認ください。なお、2026年4月には自筆証書遺言のデジタル化(保管証書遺言制度の創設)を含む新たな民法改正案が閣議決定されています。施行時期・内容の詳細についても、最新情報をご確認くださいね。

目次

自筆証書遺言とは?まずは基本をおさらい

遺言書にはいくつかの種類がありますが、そのなかでも「自筆証書遺言」は、公証役場に行かなくてもご自身で作成できる、もっとも身近な遺言書の形式です。

以前は、遺言の内容をすべて自分の手で書く(自書する)ことが法律で定められていました。ワープロやパソコンで作成したものは認められず、代筆も当然NG。高齢になって手が震えたり、字を書くのが大変になってきたりしても、「全部手書きでなければ無効」という厳しいルールだったんですね。

そうなんですね。実はこのルールのせいで、「遺言書を書きたいけれど、うまく書けなくて…」と諦めてしまった方が少なくありませんでした。相談窓口でもそういったお声をよく伺います。そこで段階的に改正が行われ、自筆証書遺言はずいぶん使いやすくなってきています。

法改正は2段階で行われた

自筆証書遺言の法改正は、一度にすべて変わったわけではなく、2段階に分けて施行されました。この点は意外と知られていないので、しっかり押さえておきましょう。

改正内容施行日
財産目録のパソコン作成・コピー添付の解禁2019年1月13日
法務局における遺言書保管制度の開始2020年7月10日

それぞれの改正内容を、詳しく見ていきましょう。

3つの大きな改正ポイント

ポイント① 財産目録はパソコン作成でもOKになった(2019年1月13日施行)

改正前は遺言書の全文を手書きする必要がありましたが、改正後は「財産目録」の部分に限り、パソコンで作成したものや、通帳のコピー・不動産の登記事項証明書を添付する形でも有効とされるようになりました。

財産目録とは、「誰に、何を渡すか」を具体的にリストアップした書類のことです。不動産の地番・家屋番号、金融機関の口座情報、有価証券の情報など、細かな情報を手書きで全部書くのは相当な労力でしたよね。それがパソコン入力でOKになったのは、大きな前進だと思いませんか?

ただし、財産目録以外の遺言本文については、引き続き自筆が必要です。また、パソコンで作成した財産目録には、全ページに遺言者本人が署名・押印する必要があります。慎重に!この点を忘れると財産目録部分が無効になってしまうこともありますので、十分ご注意ください。

ポイント② 法務局での遺言書保管制度がスタートした(2020年7月10日開始)

改正に伴い、「自筆証書遺言書保管制度」が新たに創設されました。これは、遺言者が自分で作成した自筆証書遺言を、法務局(遺言書保管所)に預けておける制度です。

「タンスの奥に遺言書を隠しておいたら、見つけてもらえなかった」「遺言書が改ざんされてしまった」といった残念なトラブルは、実際に起きているんです。そうなんですね、遺言書は書くだけでなく「保管」も非常に重要なポイントなんですよ。法務局に保管してもらうことで、こうしたリスクを大幅に減らすことができます。

保管申請は遺言者本人が法務局に出向いて行う必要があり、代理人による申請はできません。手数料は1件3,900円(執筆時点)です。費用・手続きの最新情報は、法務局またはお近くの専門家にご確認ください。

ポイント③ 法務局保管の遺言書は家庭裁判所の検認が不要に

自筆証書遺言の大きなデメリットのひとつが、遺言者が亡くなった後に「家庭裁判所での検認手続き」が必要だったことです。検認とは、遺言書の存在を家庭裁判所に報告し、その状態を確認する手続きのことです。相続人全員に期日が通知され、実際に出向かなければならないケースも多く、「手間がかかる」「時間がかかる」と感じる方が多かったのも事実です。

ところが改正により、法務局に保管された自筆証書遺言については、この検認手続きが不要となりました。いいですね!これにより、遺族の時間的・精神的な負担が大幅に軽減されるようになっています。なお、法務局に保管していない自筆証書遺言については、引き続き検認手続きが必要ですのでご注意ください。

改正前と改正後の違いを比較してみよう

項目改正前改正後
財産目録の作成方法全文自筆が必須パソコン作成・コピー添付もOK(2019年〜)
遺言書の保管方法自宅保管のみ法務局(遺言書保管所)への預け入れが可能(2020年〜)
家庭裁判所での検認必ず必要法務局保管のものは不要
改ざん・紛失のリスク高い(自己管理)低い(法務局管理)
相続人の手続き負担大きい法務局保管なら軽減される

こうして並べてみると、改正によって自筆証書遺言がずいぶん使いやすくなったことがわかりますよね。

法務局の遺言書保管制度を利用するメリット・デメリット

メリット

法務局に保管することで、遺言書の紛失・改ざん・隠匿といったリスクを防ぐことができます。また、前述のとおり相続発生後の検認手続きが不要になるため、遺族の時間的・精神的な負担を軽くすることができます。

さらに、遺言書保管制度では、相続人などが「遺言書情報証明書」を取得することで、遺言書の内容を確認できる仕組みが整っています。全国どこの法務局からでも手続きが可能な点も、利便性の高いポイントですよね。

デメリット・注意点

一方で、保管申請は遺言者本人が法務局に直接出向く必要があり、代理人申請はできません。また、法務局では遺言書の形式的な外形要件(様式・署名・押印など)の確認は行われますが、遺言内容の法的な妥当性——たとえば「この内容で相続人間のトラブルにならないか」「遺言の解釈に争いが生じないか」といった点——の審査は行われません。「法務局に預けたから安心」と思っていたら、内容に問題があってトラブルになった…というケースも考えられます。慎重に!遺言書を作成するときは、内容の有効性についても専門家に相談しておくことをおすすめします。

自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらが向いている?

「自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらを選べばいいの?」という相談は、本当によく寄せられます。一概にどちらが優れているとは言えませんが、それぞれの特徴を知ったうえで選ぶといいですね。

比較項目自筆証書遺言公正証書遺言
作成費用低コスト(実費のみ)公証人手数料が必要
作成方法自分で書く公証役場で公証人が作成
証人不要2名必要
保管方法自宅または法務局公証役場に原本保管
検認手続き法務局保管以外は必要不要
無効リスク形式不備になりやすい低い

コストを抑えたい方や遺言の存在を秘密にしておきたい方には自筆証書遺言が向いているかもしれません。一方、確実に有効な遺言書を残したい方や財産が複雑な方には公正証書遺言が安心です。どちらがよいか迷ったときは、ぜひ一度ご相談くださいね。

自筆証書遺言を作成するときの注意点

遺言本文の自書について

日付・氏名・遺言の内容は必ず自筆で書く必要があります。日付は「令和◯年◯月◯日」のように具体的な年月日を記載し、「吉日」のような曖昧な表現は認められていません。

押印について

遺言書への押印は必須です。実印でなくてもよいとされていますが、確実性を高めるためには実印を使用し、印鑑登録証明書を添付しておくと安心です。

財産目録について

パソコン作成の場合も、登記簿謄本や通帳のコピーを添付する場合も、全ページに署名・押印が必要です。これを忘れると財産目録部分が無効になってしまいますので、要注意ですよ。

訂正の方法(民法968条3項)

遺言書の訂正には、民法968条3項が定める4つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 訂正箇所を指示する(どこを変えるかを示す)
  2. 変更した旨を付記する(欄外などに「○字削除」「○字加入」等を記入)
  3. その箇所に署名する
  4. 変更箇所に押印する

この4つのうちひとつでも欠けると、その訂正は無効とみなされてしまいます。そうなんですね、「二重線を引いて訂正印を押せばOK」と思っていた方は多いのですが、実は要件が厳格に定められているんです。間違えた場合は、新しい遺言書を作成し直すほうが確実です。なお、後から作成した遺言書が前の遺言書と矛盾する内容であれば、後の遺言書が優先されます。

新宿でこうした遺言書作成のご相談を受けていると、「訂正の方法がわからなくて、何度も書き直した」というお話をよく伺います。訂正ひとつとっても意外と奥が深い、それが遺言書なんですよね。不安な点は専門家に相談しながら進めるのが一番です。

まずはお気軽にご相談ください

自筆証書遺言についてご不安なことがあれば、どうぞ一人で抱え込まないでください。星総合法務事務所では、新宿・渋谷エリアを中心に、皆さまの大切な手続きを丁寧にサポートしています。「遺言を書いたほうが良いかな?」と少しでも思ったら、まずはお気軽にお声がけください。

司法書士【星総合法務事務所】
📍 東京都渋谷区代々木2丁目20番2号 美和プラザ新宿501
📞 TEL:03-6709-2916
🚶‍♂️ 新宿駅南口から徒歩7分
🚶‍♂️ 京王新線・都営大江戸線 新宿駅6番出口から徒歩2分(6番出口を出てすぐです!)
🌐 https://hoshi-office.com/

よくある質問(FAQ)

Q1. 自筆証書遺言は全部手書きしなければいけませんか?

いいえ、2019年1月13日施行の法改正により「財産目録」の部分に限り、パソコン作成や通帳コピーの添付が認められています。ただし、遺言の本文(誰に何を与えるかという内容)については引き続き自筆が必要です。また、パソコンで作成した財産目録には全ページへの署名・押印が必要ですのでご注意ください。

Q2. 自筆証書遺言を法務局に預けるにはどうすればいいですか?

2020年7月10日にスタートした「自筆証書遺言書保管制度」を利用し、法務局(遺言書保管所)に保管申請を行います。申請は遺言者本人が法務局に直接出向く必要があり、代理人による申請はできません。手数料は1件3,900円が目安ですが(執筆時点)、最新情報は法務局またはお近くの専門家にご確認ください。

Q3. 法務局に保管した遺言書は検認しなくていいのですか?

はい、法務局(遺言書保管所)に保管された自筆証書遺言については、遺言者が亡くなった後の家庭裁判所での検認手続きが不要とされています。ただし、法務局に保管していない自筆証書遺言は、引き続き検認が必要です。

Q4. 遺言書を間違えて書いてしまったら、どう訂正すればいいですか?

民法968条3項により、①訂正箇所の指示、②変更した旨の付記(欄外に「○字削除」等と記載)、③署名、④訂正箇所への押印、の4要件をすべて満たす必要があります。いずれかが欠けると訂正は無効です。要件が複雑なため、間違えた場合は新しい遺言書を作成し直すほうが確実です。不安な場合は専門家にご相談ください。

Q5. 新宿近くで遺言書作成について相談できる司法書士はいますか?

はい、新宿駅南口から徒歩7分の場所にある「司法書士【星総合法務事務所】」では、自筆証書遺言・公正証書遺言に関するご相談を承っています。京王新線・都営大江戸線の新宿駅6番出口からも徒歩2分とアクセス良好です。遺言書の作成から法務局への保管申請サポートまで、お気軽にお問い合わせください(TEL:03-6709-2916)。

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