遺言・相続・事業継承

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相続税の申告と登記手続き

相続または遺贈により財産を取得した人は、亡くなった人(被相続人)が死亡時に所有していた財産と相続開始時3年以内の贈与や相続時精算課税の贈与財産から、被相続人の債務や葬儀費用等を差し引いた合計額が相続税の基礎控除を超える場合、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に相続税の申告と納税をしなければなりません。

これに対し、相続財産に不動産が含まれる場合、相続登記に関しては、相続税の申告と違い登記申請に期限はありません。そのため、相続開始時から10年以上経過してから登記手続きをする人もいます。

しかし、長期間相続登記未了の状態にしておくのは好ましいことではありません。なぜなら、時間の経過により、相続人間に重ねて相続が発生するなど権利関係が複雑になる可能性があるからです。

そのため、共同相続人間で遺産分割協議が調ったらすぐに登記手続きされることをお勧めします。

具体的には、資産よりも負債が多い場合は、原則として相続の開始があったことを知った日から3か月以内に相続の放棄または限定承認をするか決める必要があるため、それまでに財産の調査・評価を済ませるのがよいでしょう。

相続を承認する場合は、税の申告期限に遅れないように遺産分割協議を済ませ、申告と合わせて不動産登記についても遅滞なく手続きするのがよいでしょう。

なお、相続税の申告期限(死亡日より10か月)から5年以内なら土地評価の見直しとそれに基づいた相続税還付請求の手続きが可能です。

相続税は金額が多いため、土地評価の見直しにより税額に数百万円程度の差額が生じることも少なくありません。

土地を相続して過去5年以内に相続税を納めている人は、還付請求ができるかもしれません。相続税を納め過ぎていないか検討されてはいかがでしょうか。